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保健科学研究第9巻2号Health science research vol:9 No2

原著 Original article 

弘前市周辺の河川等の水系における汚染状況

工藤美里 吉岡翔 吉田千賀雄 藤岡美幸

誌名:保健科学研究 第9巻2号 pp27-33
公開日:2019/03/31
Online ISSN:1884 6165
論文種別:原著
キーワード:弘前市周辺河川,水系感染症,Escherichia属,astA遺伝子
本文:PDF(0.9MB) FREE

要旨
病原微生物に汚染された水の摂取により起こる感染症を水系感染症といい,現在の日本では低頻度ながらも発生の報告がある。本研究では20186月から20188月にかけて弘前市周辺から採取された河川水20検体を対象として,水系感染症および食中毒の主要な原因菌であるEscherichia属,Campylobacter属,Vibrio属について調査した。調査の結果,18検体からE. coliが検出された。E. coli未検出の2検体の塩分濃度はいずれも高値を示し,高濃度域での発育抑制が示唆されたが,一方で高濃度でE. coli検出を認めた検体もあったことから,E. coliが発育可能な塩分濃度について詳細な調査が必要であると考えられた。また,E. coli検出時におけるHIブイヨンの前培養温度を37℃から40℃へ変更した結果,E. coli検出率が増加したことから,前培養温度は40℃がより適切であると考えられた。さらに,対象河川水3検体からastA遺伝子を持つE. coliが検出され,河川水を飲用することによる水系感染症発生の危険性が予想された。


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