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保健科学研究第9巻2号Health science research vol:9 No2

原著 Original article 

ファントムの厚さ及び材質による後方散乱係数への影響

工藤真也 工藤幸清 小宮睦弘 小山内暢 對馬恵 廣田淳一 楢木聡 成田将崇 船戸陽平 須崎勝正 松谷秀哉 青木昌彦 細川洋一郎

誌名:保健科学研究 第9巻2号 pp35-40
公開日:2019/03/31
Online ISSN:1884 6165
論文種別:原著
キーワード:後方散乱係数,DRLs,診断用X
本文:PDF(0.7MB) FREE

要旨
医療放射線防護の指標である診断参考レベル (DRLs) は被ばく線量の最適化を目的に設定されており,入射表面線量で規定されている。しかし,臨床において入射表面線量の測定は困難であるため,入射線量に後方散乱係数 (BSF) をかけることで算出される。後方散乱線は照射条件や被写体に影響されるため,BSF は変化する。そこで,ファントム実験とシミュレーションにより被写体厚,管電圧,照射野,線量計の位置,被写体材質の違いによる BSF の変化を調べた。その結果,被写体厚 10 cm 以上では BSF が飽和し,管電圧,照射野に依存して BSF は増加した。また,線量計-ファントム間距離に依存し BSF は低下した。材質の違いによる比較では Acryl ファントムの BSF が最も高く,次いで軟部組織,Tough Water ファントムとなった。このことから過小評価を避けるためには, Acryl ファントムによる BSF の算出が適していると示唆された。特に Tough Water ファントムの使用は入射表面線量を過小評価する可能性が示唆された。


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